『冬』 ~コムイ・リー~




「あれ…?」
「おかえり、コムイ」

大好きな人が駅から出てくるのを見計らって立ち上がる。
案の定、コムイはびっくりしてる。

「……もしかして待ってたのかい?」
「ううん、買い物がてらについでに駅のぞいたらコムイが来たから」
「……何言ってるんだ、こんなに冷たい手して」

コムイは私の氷のように冷たい手に触れてさらに驚いていた。

「……ごめん」
「もし話が長引いて遅くなったらどうする気だったんだ。家で待ってて、って朝言わなかった?」
「……だって……」


少しでも早く……貴方に会いたかった。


俯いているとコムイは溜息を付きながら手を握ってくれた。

「温かい……」

じんわりと体に浸透していく、熱。
嬉しくて、涙が出てしまいそうだった。


サクサクサク……と、雪を踏む音。


見上げるとコムイと目が合った。

「ありがとう、待っててくれて」
「……うん、ごめんね…」

漆黒の瞳が直視できなくて、私は俯いた。

こんな真っ赤な顔、見られてると思うと恥ずかしくて。
その優しい眼差しだけで幸せだなんて言ったら、貴方は何て言うだろうね。


「……夕ご飯は何?」
「シチューだよ」
「へえ、それは楽しみだな」

シチューの材料が入った袋を持ってもらって、こうやって手を繋いで家に帰る。
雪の寒さなんていつか感じなくなっていた。


……これが永遠に続いてくれればいいなと、私は何度空に願った事だろう……










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過去話は切ない。切ない話好きだぁぁぁぁぁぁ。