フランスの伝統的な建築様式が立ち並ぶ街、そこを行き交う様々な人間。
並木がある大通りから少し路地へ曲がれば車の往来も減り、騒がしさが幾分か遠のく。
今日は自分の足で歩きたい気分だったので、散歩がてらに風景と風を堪能する。
生まれ育った日本とはやはり雰囲気が違うが、もう案外慣れてしまったなと琉奈は思う。
急ぐ事もしないで指定された待ち合わせ場所へ辿り着くと、すぐに目的の人物を見つけた。
「…………」
洒落たカフェに面したテラスの一席で、時折コーヒーカップを傾けながら黙々と仕事をしている男。
優雅に足を組み、普段あまり見せないような真剣な眼差しで端末を弄っている姿に琉奈の足が止まった。
よくある光景だし、そんなもの見慣れているのに。
何故だかとても絵になっていて、目が離せない。
(すっごく格好付けてるって、わかってるのに……っ)
基本的に気取った動作をする名雲だが、このオシャレ代表のような都市では全然浮いていない。
客観的に言えば、東洋人の中でも彼は造形が整っている方だと思う。
怪しい雰囲気を出していた後ろ髪を切ったおかげか、一見すると普通の爽やかな人間にも見える。
だから"出来るビジネスマン"のような風体の名雲に、通りすがりの女性達が何人か振り返りもして。
まるで、ベタなトレンディドラマでも見ているようだった。
(くそ……格好いいなんて、思ってなるものか!)
こんなありがちな状況で心臓が躍っているなんて絶対に知られたくない。
先日あんなに恥ずかしい抱きしめ合いをしたけど、それとこれとは別だ。
琉奈は様々なものを振り切るようにして、固まっていた足を踏み出させた。
「やあ、来てたのか」
気付かなかったと、名雲は画面から顔を上げて目を細める。
都会の喧騒の中で自分を見つけ、自分だけを視線に捉えた表情に、琉奈はサッと顔が赤くなるのを自覚した。
「っ……何でこんな所で待ち合わせなのよ」
「わかりやすかっただろう?それに、待っている間に終わらせようと思ったのさ」
文句を文句とも思っていない名雲はしれっとそう答える。
まぁいいけど、とブツブツ言いながら琉奈は少々乱暴に向かいの椅子に腰かける。
「これ。早急に必要なものなら忘れないでよ」
「ああ、すまないね」
書類の入った封筒を手渡して、琉奈も飲み物を注文する。
元々の要件はこれだった。
今日中に会社に提出しなければならない書類を忘れたと連絡が入ったのは、
名雲が出かけてしばらくしてからの事だった。
だが琉奈にも朝から用事があり、その後でしか届けられないと言うと、
それでいいと答えるので結局こんな夕方前の昼下がりの時間帯になった。
少し甘くさせたコーヒーで喉を温めると、ふうと息が漏れた。
もうすぐ終わるからと言って名雲が画面に集中しだしたのを見て外に視線を流せば、
自然と数時間前のやり取りを思い出す。
――「今欲しいのは確実に勝てる力だ。君には、それができるというかな?」
フォーミュラ・ルノーで優勝を狙うチームの監督は、改めて琉奈に問いかけた。
あのサーキットで興味を持ってもらい、あれから実際にフォーミュラカーを弄らせてもらいもした。
色々なチームからの誘いを保留にしたまま他のチームにも手を伸ばすのは気が引けたが、
これは誘われる前から交渉していたのだから仕方ないじゃないかと、琉奈は誰にともなく言い訳をする。
他のクルーは琉奈の登場に初めは難色を示していたが、何度かセッティングの話をしたら次第に刺々しい態度が和らいでいった。
意外と、受け入れてもらえるかもしれないと思った。
「サイバーフォーミュラのトップチームのような金額は到底払えない。
勝利への意地と、気合いだけでやっている万年二位のチームだが、それでもいいのだろうか」
意欲に溢れた監督だと思った。
二番手の表彰台で悔しさをにじませていたドライバーと初めて対面した時も、
まだまだ若いけど良い目をしている人だと感じた。
「女だろうが気にしないさ。君に気合いと根性と、夢があるのなら」
あの時の監督の言葉は間違いなく、これからの自分を大きく左右するものだった――
「――さて、待たせたね」
ふいに聞こえた名雲の声に我に返る。
気が付けば男は既に片付けを始めていて、琉奈も慌てて冷めてしまったコーヒーを飲み干した。
「仕事もひとまず終わったし、これを会社に提出すれば今日はもう上がりだが、せっかく出てきたのだから何処か行こうか」
「…………」
「どうかしたかい?」
(ホントはそのつもりだったの?)
帰れない距離ではないのだから自分で取りに戻ったっていいのに、
いつ来られるかわからない琉奈をわざわざ呼びつけて書類を受け取るなんて効率が悪い。
真意を疑うようにじっと見つめてみるが、名雲の余裕が浮かぶ目は流石にそこは読ませてくれなかった。
「……何でもない。で、行くアテはあるの?」
「いや特には。とりあえず流そうか」
まぁいいか、と琉奈は素直に誘われる事にした。
8・無限を生むシルエット
――夢が欲しいと思った。
"父の形見"のように、大きくて、どうしようもなく焦がれてしまうものを。
だけど夢とは、これだと決めて作るものじゃない。
人生を生きていく中で唐突に出会い、心の奥底から衝動的に湧き上がるようなものなのだ。
悩んで選んで、これを夢にしようと言うのは多分違うのだろう。
(そう思うと……名雲さんの事も、ある意味"夢"だったのかもしれない)
あれだけ無碍にされても救いたいと思っていた気持ちはもう、夢に近い願いだった。
そしてそれは叶い、今は一緒に住むような関係になっているけど、だからといってそれで終わりになった訳じゃない。
新たな願いがまた生まれて、それを叶えようと前に進んでいる。
("一緒にいたい"、なんて……口が裂けても言えないけど)
だからきっと、何処を選んだとしても夢は生まれてくれるのだろうと思う。
人間とは貪欲だから、いつまでも欲を抱き続けていくだろうから。
――光が、見たい。
時には命を賭けて、勝ち取った勝利の先にあるそれを。
例えそれが苦しくて辛い道だったとしても、輝く未来があるのなら。
(私は、何処でならそれを見られるのだろう……)
「決めかねているのか?」
「、え……?」
突然の投げかけに琉奈はハッと顔を上げる。
一瞬此処がどこかわからなくなって、そういえば今は車で移動しているんだったと思い出す。
外を見遣ればさっきと景色が随分変わっているから、結構な時間物思いにふけっていた事になる。
「随分迷っているようだね」
「う、ん……まあ」
いつもだったら気付かない振りをするのに、
これだけぼんやりしていれば流石の名雲も声をかけずにいられなかったらしい。
フッと笑いながら煙草に火をつける動作を眺めて、また外を見る。
夕方の帰宅時間と重なっているらしく、様々な車や人々が忙しなく行き来している。
皆がそれぞれの人生を歩んで、こちらの心情などお構いなしに流れていく世界。
世界は、止まってはくれない。
名雲はそれ以上何を言う訳でもない。
恐らく琉奈が言い出すのを待っているのだろう。
自分からは言わない態度にいつもだったら腹立たしく感じる所だが、今はこの距離感が有り難かった。
「……今日、また行ってきたけど……チームに入れてもらえるかもしれない」
「そうか、それはよかったじゃないか」
頭を整理するように小さく呟いた。
恐らく正式な契約は次回だろうが、受け入れてもらえたのは確かだった。
「なら、結局そこにするのかい?」
「…………」
「なるほど、選択肢が多いのも考え物だね」
何て贅沢な悩みだろうか。
出来る事なら全てに応えたいのに、一つしか選べない事がもどかしい。
「後少しなのよ……後少しで、わかりそうなのに」
自分の気持ちの答えが。
それを言葉にはしなかったが、名雲は聞き返してはこなかった。
「最後の決め手がない、という事かな」
「……自分で決めなきゃいけないって、わかってるけど」
「それがわかっているなら、俺から言える事は何もない」
誰かに勧められて決めるものではない、全ては自分で選び進まなければいけない道。
未来を指し示して欲しいのではない、ただ胸に溜まった靄を吐き出したかっただけだ。
(……靄?)
どうして自分は、この内心を靄と思ったのだろう。
自分でも無意識な内面に首を傾げていると、名雲が燃えきった煙草を吸い殻に捨てた。
「……だが敢えて言わせてもらうのならば、考えすぎだと思うがね」
「え……」
「全てに応えようと思ってるから重くなるんだ。たかが転職するだけの話じゃないか」
「…………」
「何処に行ったって、君がやる仕事はほとんど一緒なのだから」
信号が赤に変わり、車がゆっくり停車すると同時に名雲は言葉を切った。
何かに気付いたように視線をずらしてじっと見つめているのでそれを辿ると、
道路脇にある大きな電子看板を見つけて琉奈も思わず固まった。
次々と映し出される、色鮮やかなサイバーフォーミュラのマシン。
デッドヒートの瞬間、ドライバー達の決意の表情、クルー達の眼差し、観客の興奮。
それはサイバーフォーミュラと、そこに参入しているスポンサー企業の宣伝であったが、
琉奈は自然と彼等の表情に目が離せなくなった。
サイバーに、ではない。レースに命を賭ける全ての人間達の生き様に。
「――考えるべきなのは、至極単純な事だけなはずだろう?
誰が君を本当に必要としていて、君が誰に一番応えたいと思っているか、ではないのか?」
「…………」
(誰が、私を必要としている……?)
それはオーナーではない、マシンに乗るドライバーだ。
たとえばフォーミュラ・ルノーでの優勝を望んでいた彼の目は、強くて一生懸命だった。
それから、あまり多くを語らないけどしっかりとした芯を持つ、親友のルイザ。
彼女はハイネルからの電話の後、琉奈の目を見つめて言った。
様々な差別や侮辱を受けてもなお、揺るがない意志を貫きながら。
――「あまり琉奈の負担になってもいけないと思ってたけど、一度だけ言わせてもらうよ。
琉奈、私と一緒にチャンピオンを目指して欲しい」――
そして、恐らく誰よりも特別なドライバー。
ハヤトはもう琉奈に多くを語らない、その代わりに感情の全てを託して微笑む。
「琉奈さん」と静かに、だけど確かな声色で名を呼ぶ。
王は王の苦悩を背負いながら、皆の願いと一緒に頂点を求め続ける。
(私は、誰に一番応えたい……?)
それはきっと考えるものじゃない。衝動なのかもしれない。
「――決めた」
長い沈黙の後、確かな声で琉奈は告げた。
その顔にもう迷いはなかった。
(そうだ……どうして私、こんなに沈んでいたんだろう)
そんな風になる必要なんてなかったのに。
悩んでいたのが嘘のように心が晴れて、答えを見つけられた。
「それは、おめでとうと言っておくべきかな」
「……あんたに言われて気づくってのが癪だけど」
「おや、それは光栄だね」
決めたと言っても特に様子の変わらない名雲は、相変わらず飄々と煙草を吹かす。
本当に感情を読ませない奴め、と琉奈は内心で毒づいたが、次第に笑えてきて窓を眺める。
さっきまでは琉奈にのしかかってくるようだった夕日の光が、何故だかとても綺麗で、眩しく思える。
朝日が早く見たい、そんな風に思った。
「決まってしまったのなら、俺のプロジェクトには協力してもらえないな。残念だ」
「……何それ、聞いてないんだけど」
「新しいレーシングマシン開発の、ね。言っていなかったが任される事になったのさ」
「今更新しいマシンの開発してどうするのよ、またサイバーに殴り込む気?」
聞かされていなかった事と、また混乱を呼ぶつもりかと眉を潜めて隣を見るが、名雲は終始楽しそうなまま。
「サイバーに固執してはいない。兄さんの理論ではなく、俺の力でどこまで行けるか試してみたいだけだ。
だが自然とそこまで登りつめたなら、また乗り込むのも悪くはないと思っている」
「…………」
バイオコンピュータなしに、と付け加えた名雲の真意をしばらく探っていたが、
どうやら怪しい企みはなさそうなので警戒を解く。
「でもそれ、言うの遅いでしょ。決めた後に言われても流石に変えられないわよ」
「決まらなかったら誘うつもりだったのさ」
「……あんたも、結構甘いのね」
「誰かと一緒にされるのは不愉快だが、協力して欲しいと思ったのは本当さ。
君がいれば、サイバーの世界も夢ではないからね」
「…………」
言い訳のような言葉を噛みしめると、彼はどうやら敢えて琉奈に言わなかったらしい。
それは他の事で琉奈が悩んでいたから余計に混乱させないようにしたのか、
行くあてがなかった時の保険だったのかはわからないが。
本当の本当は、プロジェクトに参加させるつもりがなかったという事だ。
名雲以外で決めさせる為に、あんなアドバイスをしたのだろうから。
(よくわからないけど……何か、この人らしい)
結局は、自分の本心は二の次なのだから。
「……そうね、それも悪くない夢かもしれないね」
二人で新しいマシンを作って小さなレースから始めて、いつかはサイバーに。
違う道を選んでしまったから、もう目指せない夢だけど。
それとも、そんな日がもしかしたら来るのだろうか。
――未来は、誰にもわからない。
だけど、だから面白いのかもしれないと思った。
「ああ、それと」
「?」
忘れていたと、名雲は運転中にも関わらずポケットを探り何かを放り投げる。
少々乱暴に手中に収まった小さな箱に、琉奈はまた眉を潜めた。
「何よこれ」
「少し早いが餞別さ」
「……それは、どうも」
どうやらプレゼントらしい。
そんなものをもらった記憶は、昔恋人だった頃から考えても一度だってない。
だから内心動揺していたのだが、それを隠しながら素っ気なく答えた。
だけど箱を開けてみて、中にあった物体を見てそれ以上に驚いた。
あまりの驚愕に琉奈の思考は完全に停止して、箱を支える指までも震えた。
「っ……な……何の、つもり」
小さいのに存在を主張する指輪が、銀白色に輝いて箱の中で鎮座している。
細かい装飾がなされていたが、それはいつでも身につけていられるようなシンプルなデザインのもので。
琉奈は、その用途を知っていた。
しかもエンゲージを通り越してマリッジの方だ、確実に。
「君が何処へ行こうと構わないが、それだけは嵌めてもらうよ」
「っ……!」
(何、これ……!)
箱の中身が理解できないのではない、どうしてこんな状況になったのかが未だに理解できない。
さっきまで違う話題で、そうだ琉奈の行き先の話をしていたはずなのに。
言葉とか、色んなものを飛び越えすぎやしないか。
いやそもそも順序良くしてもらえればいいとか、そんな次元の関係ではなかったはずだ。
少なくとも、琉奈の心境の中では。
「ずっと付けていてもらわなければ困るからね。まぁ流石に仕事中は妥協するが」
――まさか、そんなつもりは。
この男に限ってこんな酔狂な真似しないはずなのに。
どう見ても薬指にはめろと言わんばかりのサイズじゃないか。
「ちなみに……どの、指に?」
「それは女性の方がよく知っているだろう?ああ、豪華な方も欲しければ買うよ」
「い、いや……そういう話じゃなく、て――」
動揺して顔を上げた先、ハンドルを操作する男の左手の薬指に垣間見えた光に、反論も吹き飛んだ。
いつからしていたのだろうか、考えたって答えなんて出ない。
それは琉奈の手の中にあるものと同じデザインで、不自然に男を装飾していた。
――信じられない、意味がわからない。
似合わないにもほどがあるじゃない。
「……、っ……あんた、断られるかもしれないとか、思わないの?
勝手にこんなん買ってきちゃって……私が断ったら、これどうするのよ……?」
「そうだな……考えていない」
変わらない口調で適当な言葉が返ってきたけど、琉奈は気付いてしまった。
此方を振り返る事なく前方を見ているままの名雲の横顔が、いつの間にか笑っていない事に。
彼が笑っていない、そこにどんな意味があるのか琉奈はもう知っている。
きっと、口では何でもないように言っているけど内心、真剣に琉奈の言葉を待っているのだ。
笑う余裕すらない名雲の目に、胸が締め付けられる。
「……、っ…私を、縛り付けるつもり?」
「君が望むなら」
視界がにじむ。
平静を、強気を装いたいのに、声が上手く出てくれない。
「私……あんたの顔一生見なきゃいけないなんて……嫌なんだけど…っ!」
「残念だったね、と言った方がいいかな」
喉が熱くて、涙が止まらない。
掌のマリッジリングが雫を浴びて色を変える。
琉奈は静かに左手の薬指にはめた。
「本当に馬鹿な人……っ、でも私は……もっと馬鹿だ…っ!」
―――幸せを感じているなんて。
「俺が馬鹿だったから、君は俺を愛してくれたのだろう?」
「っ……うるさい」
思わず顔を隠した琉奈の両手を、赤信号で停車させた名雲が絡め取って唇を奪う。
運転席から乗り出して目の前にいる男と見つめ合い、琉奈はまた涙を零した。
―――これはきっと、奇跡だ。
信じて、よかったのかもしれない。
明日を望んで眠ろうとする夕日の光が指輪に反射して、眩しかった。
「俺が勝ち取ったんだよ。なあ、琉奈」
「…………うん」
(私も勝ち取ったんだよ、名雲さん)
終章
自分が選んだゴールを
――だから後悔は、しない。
Back Top
*あとがき*
ついに完結いたしました!
最初に謝っておきます、すみません!
夢主がどこを選ぶのか楽しみにされていた方もいらっしゃるかと思いますが、
当初から夢主の道を名言する予定はありませんでした。
何かここまで引っ張っておいて、肩透かしで本当にすみません!
これはやはり読んだ方それぞれに気持ちや思い入れがあるので、
どのチームに行ってほしい、という解釈や想いもそれぞれだろうと思ったからです。
作者的にも何となく「このチームかな?」という結論はあるのですが、
それが読み手の思いと食い違ってしまうのは嫌なのです。
どのチームに行ってもいいように描いたつもりです。
なので皆様が考えるチームが正解なのです。
スゴウに戻ってまたハヤトやアスラーダと共に勝利を重ねるもよし、
シュトルムツェンダーで女三人組でチャンピオンを目指すもよし、
地元チームで優勝を狙って、上位に進んで、いつかはサイバー……なんてのもよし、
どこでも楽しくやっていけるでしょう。
名雲さんの所はある意味ダークホースです(笑)
これは流石にもう一つの可能性、のような位置付けにしましたが。
はたまた加賀さんの所に行く……なんていう、もうホントにどこでもいいんですよね(^^;)
この本編は名雲さんとの話が一応メインなので(苦笑)、
本当は進路話はもっとサラッと終わらせる予定だったんですが、意外と夢主が悩んでしまいました。
そう、そうなのです!名雲さんです!(笑)
こんな感じで終わりましたが如何でしたでしょうか。
素直になれない二人が一生懸命歩み寄った結果、こうなりました。
普通の恋愛話とは違いかなり甘さ控えめだと思いますが、皆様的にはどうなんでしょうかね。
唐突にラストの展開にするつもりでしたが、流石にそれでは読み手様が付いてこれないと思ったので、
私的にはこれでも甘くした方です(苦笑)
名雲さんは絶対に素直になれないタイプだなと思ったので、
結局最後まではっきり愛の言葉を言いませんでしたが、それでも伝わるように努力いたしました。
名雲さんに執着してもらえるだけで嬉しいと思う作者は、夢主と同じ病気かもしれません(笑)
それから、夢主もかなり意地っ張りなのでツン要素が多くなってしまいました。
いつまで意地張ってんだよと突っ込みが来そうで心配でしたが(笑)、
前科者にほいほい付いて行ってもそれはそれで心配なので、かなり葛藤しながら、
それでも抗えない本心みたいなものを感じてもらえれば幸いです。
名雲さんは夢主じゃなければいけないのですが、
夢主も修さんや加賀さん、他の男でもなく、名雲さんじゃなければいけなかったのでしょう。
何だかんだ言って、お互い想い合って支え合っているのですが、わかってもらえたでしょうか?
サイバーでは名雲さんは完璧に敵キャラで、まあ犯罪者で、
そんな人と恋愛してくっつくなんて想像もしてなかった方もいるでしょうね。
だけど本当はちょっと可哀想な人だと思ってしまった作者が、
名雲さんを救いたくてあわよくば想い合う関係になりたいと思った執念でここまで書き上げました。
少しでも名雲さんを理解して、受け入れてもらえる人が増えればいいなと思っております。
かなり湾曲している自覚はありますが(苦笑)
名雲さんホントに好きなんです、私が(^^;)
最初にサイバーを見たのは多分私が幼稚園ぐらいだったと思いますが、それすら曖昧です。
内容とかもほとんど覚えていなかったですが、それでもOPのトランスポーターが開かれるシーンと、
スーパーアスラーダに乗り換える時のパスワード入力シーンは何故か記憶に残っていました。
OPとEDの入ったCD(8cmの)も恐らくねだって買ってもらったんだと思います。
それから数年後、たぶん小学校高学年の頃にたまたまCMでZEROのOVAの事を知りました。
OVAなんてあるんだと知り、TVシリーズの少しの印象しか残っていないのに、
11も見ていないのに借りてきて、夢中になりました。
それからさらに数年後、SAGAで作画が変わってハヤトを格好いいと思い、
名雲さんにドキドキして、アニメ雑誌から切り抜いた画像を筆箱に隠していたのは良い思い出です(恥)
思えば、車やレースに興味を持つようになったのは父親と、この作品の影響だったと間違いなく言えます。
おかげで女にも関わらず趣味がNASCAR観戦で、父親に作ってもらったアスラーダのラジコンを走らせ、
さらに今でもスポーツカーを乗り回し、もうすぐ86に買い替えようとまでしています(笑)
自分にとっては本当に大切な作品で、これから先もサイバー愛は変わる事はないでしょう。
夢小説なんていうコンテンツで、しかも素人の拙い表現ですが、
レースに魅せられた人間達の闇や、それを一瞬にして吹き飛ばす悦びの光のようなもの、
どうしてそこまで勝とうとするのか、どうして戦うのかという想いを、
少しでも誰かに知ってもらいたくて、そして誰かと共有したくてこの話を書きました。
この話を完成させる事が、サイバーフォーミュラという作品へのお礼だと思っています。
出会えてよかったです、そしてこれからも大好きです。
何か自分語りになってしまいましたが、
この話を読んでいただいた方々の心に何かが残せたらいいなと思います。
読んでよかったと、少しでも希望に満ち溢れた気持ちになってもらえたら幸いです。
今まで感想を頂いた方々、本当にありがとうございました。
誰も知らないよなぁと思いながら始めたので、読んで楽しんでいる人がいると知れただけで本当に嬉しかったです。
この本編はこれで終わりですが、気が向いたらおまけ的な続きも書きたいと思っています。
婚約したようなものなので、それを知った修さんがきっと黙っていないでしょうから(笑)
夢主は内緒にしてたけど指輪でバレちゃって大騒ぎ、とかね。修さん好きです。
それでは、またいつかお会いできる時まで。
妃瑪―――2014.4.6