「よ、元気だったか?……って、元気そうには見えねぇな」
あっという間に数人の敵を倒してしまった原田と永倉が此方を振り返る。
冗談っぽく言う原田の笑顔に、紫苑は涙が抑えきれない。
「っ……、左之さん!!」
「うおっ、と」
始めは放心状態だった紫苑だが、その声や顔を見てしまったら体が勝手に動いていた。
右足に重心をかけて勢いよく飛び付けば、原田が驚きながらも抱きとめてくれた。
「生きてるっ!左之さんが、生きてる!」
先視の彼はあんなに出血していて、今にも命が消えてしまいそうだったのに。
変わらない逞しさと優しい眼差しがそこに存在していて、
紫苑はギュッと羽織を握りしめながら縋り付くように泣いた。
「ああ、生きてるよ、ちゃんと」
「っ……、ぅ!」
変わらない、紫苑を甘やかす優しい手が頭を撫でる。
それ以上言葉が出てこないくらいに泣きじゃくって、ただ頷く事しかできなかった。
「斎藤もその体で、よく戦ったな」
「新八……っ、左之……、」
永倉が斎藤の様子を窺うが、彼は仲間で来た事で安心したのか意識が朦朧としているようだった。
「詳しい話は後だな、とりあえず此処を離れよう」
怪我の具合を察すると、すぐに真剣な顔付きで斎藤を抱えた。
紫苑もまた原田の肩を借りながら、素早く街道を北へと進んだ。
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怪我人二人では真っ直ぐ歩く事もままならなかったが、
健康な男が二人で手助けしてくれたおかげでかなり戦地から離れる事ができた。
追手がいない事を確認し、近くの屋敷を借りると斎藤を布団に寝かせて傷の具合を確かめる。
止血を確認してひとまず落ち着くと、二人はこれまでの経緯を教えてくれた。
「俺は江戸で彰義隊と一緒にいたんだ。そこで不知火に会った」
原田は彰義隊で新政府軍と戦っていたが、最新の大砲に勝てず隊は壊滅状態に陥った。
その後、新政府側の羅刹を率いた雪村綱道と出くわし、不知火と共闘して羅刹達を倒していったらしい。
不知火が銀の弾を持っていたそうだが、羅刹の数が多くて苦戦。
原田が身の危険を感じた所に永倉が駆け付けたのだという。
「よかった……っ」
「お前が、新八を寄越してくれたんだってな」
原田が死んでしまうのを防ぎたくて永倉に頼んだ。
だけどそれによって、永倉まで危険な目に遭っていたらどうしようと紫苑は少なからず不安だった。
「何であんな所に新八が、って驚いたけどな」
「助けに来てやったのにその言い方はねぇだろ」
「ま、そうだな。だから紫苑、ありがとうな。おかげで助かった」
「っ……、」
(間に合った……助けられた……っ!)
頭を撫でる温かい手、そして永倉の楽しそうな声、それら全部に紫苑は弱い。
先視を変えられた事が嬉しくて、二人が生きて此処にいる事が嬉しくてまた涙が出てきてしまう。
「流石に無傷じゃなかったから、怪我を治しながら会津まで来たんだ」
「まさか紫苑までいるとは思わなかったぜ」
確かに新選組本隊がないのに紫苑と斎藤だけいるのは意外な組み合わせだろう。
永倉の言葉に紫苑は苦笑する。
「一君を、助けに来たんだよ」
「助けって……そうか、そういう事か」
原田はすぐに先視によるものだと思い至ったらしい。
永倉も最初は首を傾げていたが、隣で説明されて理解したようだ。
「お前、本当偉いよ。わざわざ斎藤助ける為に土方さんと別れて、会津に残ったって事だろ?」
「へぇ~お前が土方さんから離れるなんてな」
「……そんなに意外?」
「ああ」
「絶対あり得ねぇって思ってた」
「…………」
二人にきっぱり言われるほど自分は鬼副長にひっ付いていたのか。
何だか恥ずかしくなって顔を逸らす。
「ま、それで俺も助かってるんだから、お前には感謝してるよ」
「……っ」
誰かの意思を捻じ曲げて生き長らえさせようとするのは、もしかしたら迷惑なのかもしれないと思っていた。
生きて欲しい、それは紫苑の願いであって、本人はそれを望んでいない事だってある。
この行ないは間違っているのかもしれないと思う事もあるから、助かったと感謝されると心から良かったと思える。
(一君はどうなのか、まだわからないけど……)
無駄に死にに行く事はやめたらしいけど、本当の所どう思っているのかはわからない。
吹っ切ったような顔をしていたから、間違っていなかったのかもしれないと思う事にしているが。
「ぅ……っ」
「!一君っ」
意識が戻ったらしい斎藤が寝ている布団に駆け寄った。
汗がじんわりと浮かんでいる額に手を乗せる。
「熱があるね、やっぱり」
「、……すまない」
「手ぬぐい濡らしてくる」
紫苑は井戸に走り、水を持ってくるとてきぱきと動いた。
甲斐甲斐しく斎藤の世話をする紫苑を見て、永倉が口を開く。
「なーんか、夫婦みてぇだな」
「え?」
しみじみと言われ、振り返ると永倉が原田に叩かれている所だった。
「余計な事言うんじゃねぇよ、新八」
「いや、だってよー」
確かに紫苑も夫婦みたいだと思った事はある。
周りからもそう見えるのかと、紫苑はどう反応すればいいのかわからなくて手が止まる。
「……まぁ、これだけ一緒にいればねぇ」
「いや、悪い……俺はお前が幸せになれるなら、何でもいいさ」
「…………」
苦笑する紫苑に、永倉の代わりに原田が答えた。
紫苑の事を心配してくれている彼からの精一杯の気遣いなのだろう。
つまりは、斎藤と想い合うならそれでもいいという事を言われたのだ。
だが紫苑はそんな事考えた事はなかった。
もちろん斎藤の事は大切だが、会津では戦を生き抜く為にただただ必死だった。
だけど思い返してみれば、色々とやっていたような気がする。
二人分の衣を洗い、食事をして、体を寄せ合うように眠り、肩を預け合って歩いた。
さらには命を繋ぐ為とはいえ、紫苑は自分から斎藤の唇を塞いだ。
(……あれ?)
もしかしなくても結構大胆な事をしてしまったのだろうか。
いや、でもあれは処置だったのだから口付けだと捉える必要はない。
「……悪い、俺も余計な事言ったな。ほら、お前だって怪我人なんだから早く休んどけ」
「お、おう。紫苑も寝ろ寝ろ!ここは俺達が見ててやるから!」
「う、うん……ありがと」
混乱して停止した紫苑を、原田が見兼ねて布団へと導く。
半ば強制的に背中を押され、何となく納得できないままに大人しく横になった。
よくわからない。
考えたって仕方ないからと、紫苑は早々に考えるのをやめた。
斎藤の熱が下がるのを待って、四人は少しずつ北上を開始した。
とりあえずの目的地は仙台だ。
そこまで行ってみて、後は新選組の足取りを地道に追いかけるしかない。
新政府軍がいそうな所を避けながら道を進む。
合流する為にものんびりはできず、痛みに耐えながらひたすらに足を動かした。
「大丈夫か?無理するなよ」
「……ああ、問題ない」
数日前に死にかけた体で、さらには羅刹には堪える昼間だ。
永倉に声をかけられながらも険しい顔で歩く斎藤が心配だったが、それは紫苑にも当てはまる事だ。
「っ……ごめんね、左之さん」
「いいって、別にもう少し体重かけてくれたっていいんだぜ」
「うん……ありがとう」
紫苑は足を負傷しているおかげで、この一行で一番進みが悪い。
左半身を終始支えてもらっているのが申し訳ないが、彼はそれでも優しい言葉をくれる。
「髪、伸びたな」
「え?」
ふいにそう投げかけられて顔を上げる。
羅刹になってから切るのをやめた紫苑の髪は、耳の下をさらさらと流れるくらいにまで伸びた。
「ああ、髪が長いと敵が油断して、舐めてかかってくるから都合がいいんだよ」
「……身も蓋もない奴だな」
女らしくなったって言おうと思ったのに、と原田が苦笑する。
色々突っ込んで訂正したい所はあったが、褒めてくれているようなので紫苑は薄く笑って返事をした。
「そういえばお前の女装もなかなか似合ってたな」
「女装言うな。ていうか、あれは忘れてよ……」
思い出したとばかりに永倉が口を挟む。
元々女なのだから断じて女装ではない、そこだけは訂正させたかった。
だが仕方なく変装していたものだから、あまり蒸し返されるのは恥ずかしい。
「何でだよ、結構良かったぜ?口調以外は」
「一言余計だよ新八っつぁん」
「っ、怖ぇよ紫苑!」
先を歩く永倉の背中を殺気を込めて睨めば、それを感じ取って飛び上がる。
吹き出して笑ったのは隣の原田だ。
「変わらねぇな、お前ら」
そんな何気ない会話をしながらの行軍は少しだけ楽しかった。
こうやって馬鹿みたいな事をしたり冗談を言い合えるのなんて久しぶりだった。
原田も斎藤もみんな生きて、笑いながら歩いている。
左足の傷は痛い、だけど心は満たされていて紫苑は人知れず微笑んだ。
斎藤と二人で森を彷徨っていた時よりも重傷なはずなのに、仲間がいる今の方が気持ちは軽かった。
「どうした?」
「ううん……今すごく、土方さんに会いたいって思った」
会って、まだこんなにも仲間がいるんだよと、楽しいと思える事があるんだよって言いたい。
きっと仲間を亡くして落ち込んでいるだろう彼に、みんなを会わせたい。
(私は生き抜いたよ、って言いたい)
あの激戦で戦って生き残って、斎藤も連れて一緒に生きている事を自慢したい。
それで、できれば、よくやったって褒めてほしい。
薄く笑っている紫苑を見つめて、原田はしばらく目を瞠っていた。
そして、何かを諦めるように静かに笑った。
「……そうか。お前は、そういう奴だったな」
「何が?」
「いや、悪い……本当に一途だと思ったんだ」
肩を支えながら器用に紫苑の頭を撫でる。
原田がしきりに悪かったと言うが、彼の何が悪かったのかわからず首を傾げた。
「お前の想いが、いつか土方さんに届くといいな」
「え、うーん……どうなんだろ?」
「はは、頑張ってくれ」
急に恋愛じみた話になり、恥ずかしいやらで上手く反応できない紫苑に、原田はまた笑って背中を押した。
湧き上がった気持ちを原動力にして足を動かして、時には休みながら何日も歩いた。
警戒しながら進んではいるが、やはり目と鼻の先に新政府軍がいたりして、
見つからないように遠回りをしたり、身を潜めながら突破した。
新政府軍がいるという事は、勢力がここまで大きくなっているという事だ。
逆に追いやられた旧幕府軍は、さらに北へ逃げている事だろう。
ようやく仙台に到着しても、城下は既に新政府軍に制圧されていた。
幕軍がどこへ向かったのか情報収集をしようにも、この出で立ちの四人ではどうしても目立ってしまう。
「これじゃ聞き込みもできねぇな」
「仙台からどこへ移動するか、だな」
「海軍艦隊と合流する予定だったから、恐らくは港だろう」
永倉と原田が相談していると、答えたのは斎藤だ。
確かに新選組と別れる前、大鳥は榎本艦隊と合流して再起を図ると言っていた。
その通りに動いているのだとしたら、どこかの軍港で旧幕府の軍艦が停泊しているか、出港したのだろう。
「港ったって、いくつもあるぞ?」
「ま、しょうがねぇよ。とりあえず敵の軍勢から離れて海側に進んでみようぜ」
「……そうだな」
そこで軍艦の情報を仕入れていこう、というのが次の目標になった。
気の遠い話だが仕方ないと、一行は仙台城下を避けて東へ進んだ。
広い街道ではなく、町外れから脇街道を歩き始めた所で、ふいに現れた人物に声をかけられた。
「おや、あんたら見かけない顔だなぁ、泊まっていかねぇかい?」
「いや、俺達は――」
立ち並ぶ宿の客引きを断ろうとして永倉が固まる。
ついで紫苑もその異変に気付き、思わず叫んでしまいそうだった口を押さえた。
(や、山崎さん!)
完璧に町人の出で立ちで快活に笑う目に、懐かしい新選組の顔が蘇る。
驚く斎藤や原田に山崎はにっこりと笑い、さあさあと宿へと引き入れる。
「怪我人もいらっしゃるではないですか、どうぞ休んでって下さい」
「お、おう、じゃあ……」
ぎこちなく永倉が答え、招かれるまま宿の暖簾をくぐった。
「皆さんご無事で何よりです」
四人が中に入った途端、元の山崎の声色と口調で頭を下げた。
「どうして山崎がこんな所に?」
「土方副長の命で松本良順先生を送り届けた後、お二人が来られた時の為にと待っていました。
永倉さんと原田さんまでいる事は予想外でしたが」
「……あの人は、こんな事まで用意しているのか」
驚いた斎藤が思わず言葉を漏らす。
確かに生き延びて帰るとは宣言したが、それが実現できない可能性の方が高かった。
「万が一の為だ、と仰っていました」
「はは、流石だなあの人は」
その言い方に、彼らしい強がりを感じて紫苑も笑わずにはいられなかった。
本当に自分達の鬼副長は、情を捨てきれない不器用な鬼だった。
「ですが、あまり時間はありません。数日後には折浜から北へ出港します」
「そうか、なら急ごう」
もう数日で見切りをつけるつもりだったと山崎は言う。
さっそく出発しようと提案したのは、この中で一番重傷の斎藤だ。
「行けるか、斎藤?」
「ここまで歩いたんだ、支障はない」
「……わかった」
数日の間で傷口は塞がったが、終始動いているので治りは通常よりも遅かった。
紫苑もまた、軽く引きずりながらも一人で歩けるようにはなったが、力を入れたり速くは歩けないので、
結局は未だ原田の肩を借りている状況だった。
斎藤がいいと言うので原田も納得し、簡単な傷口の処置だけをして休む事なくすぐに宿を出た。
山崎も隠れ蓑にしていた宿を引き払い、一向に同行して道案内を買って出てくれた。
「しかし藤沢君、本当に無事でよかった」
「はは、ありがとうございます」
町人の風体のままで生真面目な山崎の口調に変な感じを覚えつつ、紫苑は怪我人ですけどねと冗談で返す。
だが山崎は至極真顔で言葉を続ける。
「君がいなくなってからの土方副長は、俺でも心配になるほどだった」
「え?」
「調子が狂っているという、と言った方が正しいかもしれない。
恐らく、君の身をずっと案じておられるのだと思う」
「…………」
あの人が、自分を心配してくれている。
嬉しいと思いながらも、勝手な事をしている申し訳なさでいっぱいだった。
「だから早く折浜に合流して、副長に安心して頂きたいと思っている」
「……はい。俺にできる事なら、何でもします」
山崎の期待通りにできるかはわからないが、何でもしたい気持ちは本当だ。
皆に温かい言葉をもらいながら、待ってくれているだろう土方の元へ行く。
(こんなに嬉しい行軍、今までなかったかもしれない)
たった五人の軍隊だったが、足取りだけはどの戦の時よりも確かだ。
それにあと少し頑張れば、もうすぐ彼に会える。
想い人に堂々と会いにいけるこの状況が嬉しいと紫苑は思った。
(土方さんに会いたい)
もう一度、生きてあの人をこの目に焼き付けたい。
険しさをその眉間に刻みながらも、呆れたように緩む双眸が見たい。
紫苑と、低く確かな音で名を呼ぶその声が聞きたい。
もうずっと、離れていたような気がする。
無意識に速足になっているこの体が、全身であの人を求めている。
疲労と傷の痛み、それから羅刹の苦痛で流れる汗、
時折どこを歩いているのかさえわからないほど意識が遠のく事もあった。
ずっと戦という緊張に強いられていたせいか、兵達の怒涛のような叫び声が耳に蘇る時もあった。
気を抜けば闇に沈んでしまいそうな思考はそれでも、ただひたすらに土方を目指していた。
空を仰ぎ見て、目も覚めるような青さと眩しさに負けない、たった一つの紫苑の光を。
信じられない速さで北東へ進んだ一行に、ついに幕府軍の艦隊の帆が遠くに見えてきた。
「着いたぞ、もうすぐ港だ」
「っ……、はい」
歩き続け、言葉すら発せなくなっていた紫苑に山崎が激励する。
返事を絞りだして顔を上げれば、見慣れた幕軍の装いをしている兵達がいた。
「俺が先に行ってくる」
山崎は町人だし俺が一番行きやすいだろ、と永倉が前に出る。
「新選組の永倉新八、他四名ただ今到着した。陸軍参謀へのお目通りを願いたい」
彼にしては珍しく堅苦しい言葉だった。
新選組、という単語に慌てた守衛に陣営の中に入れてもらうと、永倉は颯爽と指揮官がいるだろう奥に突き進んでいく。
周囲がざわざわと色めき、新選組だ、という目が紫苑達に集まる。
そんな視線には慣れているので構わず永倉の後を追い、幕軍が集まる港町を進む。
一歩、また一歩と近付いていく。
いつもは傍にいたからあまり気付かなかったが、陣の外側から歩いてくると、
土方という人物はこんなに遠かったんだと改めて感じた。
皆が畏怖し、恐れ、大勢の兵士を抱える軍奉行の二番手。
すごいなと思いつつ、そんな人に少なからず特別扱いをしてもらっていた自分はなんて幸せな人間だったんだろう。
ありがとうと、そんな人の傍を離れてごめんなさい。
早く、重責を抱えたあの人の心の支えになりたい。
おこがましいかもしれないけど、それでも紫苑はただそれだけを願っている。
色んな感情が入り混じって、それが熱さとなって喉に込み上がる。
バン、と大きな音を立てて、付近で一番大きな屋敷の扉が開かれる。
そこに、息を切らせた土方がいた。
(土方さん……!)
しばらく見ていなかった彼を見つけた途端、かつてないほど胸がぎゅっと締め付けられた。
短くなっても綺麗な黒髪、強さを滲ませる双眸は今は大きく開かれて真っ直ぐに此方を見据えていて。
痛いくらい、切ないくらいに心が泣いた。
「お前ら……!」
驚く土方に、紫苑以外の三人が笑いながら紫苑の背中を押す。
え、と思った時には原田の支えすら失って、よろよろと前に進み出る。
急な事で足の踏ん張りがきかず少しだけふらついたが、倒れる前に土方が駆け出し紫苑の体を受け止めた。
「、あ……」
「よく、生きていてくれた……!」
痛みすら感じる強い力、絞り出された土方の声。
視界いっぱいに覆われた黒い軍装から、懐かしい彼の体温と匂いを感じた瞬間、堰き止めていた涙が溢れた。
「ひじかた、さ……っ!」
会いたかったと言う代わりに、抱き締めてくれる土方の腕を握りしめた。
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長い、長い道のりだった。